前回の記事で、大学入試センター試験が大学入学共通テストに代わるという話をしました。
そこで、今回は実際に2018年11月に実施された、試行調査の問題を解いてみたので、簡単な解説を行いたいと思います。
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問題数は大問5つ(記述式問題1つ、評論、小説、古文、漢文)
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試験時間は100分
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記述は30字記述、40字記述、120字記述がそれぞれ1問。
まず、大きく変わっている第1問の記述式から。
似たような2つの文章を読み、文中の傍線部に記述で解答するのが基本的な動きです。
また、120字以内記述の最終問題では、さらに1つ同じテーマの文章が提示され、今までの2題を活用しつつ、解答する問題が出ていました。
文章の内容、記述の内容はともに難解な印象ではありませんでしたが、「記述式」ということに抵抗がある生徒は苦しむでしょう。
基本的に、記述式では15字~20字程度で1要素と考えて取り組みましょう。
つまり、30字記述なら2つの要素を入れて解答。
120字記述なら6~8つの要素が必要。
このように、「何個の要素を盛り込むことで解答ができるのか」を知ることが重要です。
下書きも用意されているので、まずは要素の抽出から。箇条書きで書き出してみましょう。
それらの組み合わせや何を削るかについては、また改めて記事としてまとめたいと思います。
次に、評論文。
これは現行のセンター試験の問題と同じような解き方でokです。
しかし、例年のセンター試験よりも資料や図解が多く、それだけで解答が出せる問題もありました。
イメージとしては現在のセンター試験英語の第4問のような感じです。
今回の試行調査の問題では、「著作権」についてでした。
はっきり言って、資料は最初と最後だけ見てください。
どのようなテーマなのかを把握し、最後に資料を一読して解答。
これでいいです。
資料なんてただのサポートでしかありません。重要なことはすべて本文に載っています。
小説では2文の読解
今回は、同じ作者のテイストの違う文章が提示され、それらの相関関係についての問題が出ておりました。
古文・漢文は今まで通り
落ち着いて解けば解けるものでしょう。
《ちなみに》
評論、小説、古文、漢文では現行のセンター試験のように、漢字や語彙の問題が出題されています。
配点も今まで通りになるでしょう。
記述にばかり気を取られ、基礎問題を落としていては元も子もありません。
きちんと勉強しておきましょう。
最後に
いかがだったでしょうか?
現在の高校1年生、中学3年生は一度見てみてください。
また、上記2学年のお子さまをもつ保護者は必ずお子さまにこの問題を解かせてください。
点数は取れなくていいのです。
それよりも、出題形式を知っていること、これが重要です。
敵を知らずに対策はできません。勉強もできません。
今知ることで、「残りの期間に何をすべきか」を考えることができます。
それだけでも大きな一歩です。